アメリカ4年制大学留学
ここまで違うアメリカの大学
アメリカで4年制大学への正規留学を実現するためには、
まずはアメリカの大学について日本と何が異なるのかの違いを見てみましょう。
アメリカ | 日本 | |
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専攻決定 | 専攻の変更可能な大学入学。 | 大学受験前に決めて受験する学部入学。 |
大学編入 | 大学への編入可能。単位移行も認める。 | 別大学への編入は閉鎖的。単位移行に各大学規制有り。 |
授業スタイル | 学生主導の教育、学生は積極的に授業参加。テスト以外にプレゼンや自主課題研究も重視。 | 教授の一方的な授業、一部は参加型だが、基本は受身のスタイル。4回生のゼミ参加義務。 |
教授について | 学生が教授の評価義務。授業外でも補佐・協力的。 | 学生の教授評価不可。教授と学生の距離がある。 |
大学の数 | 3650 | 760 |
学期制 | 2学期制・3学期制・4半期制(複数回の入学時期あり) | 2学期制(年1回の入学が大半) |
入学審査 | 書類選考、アカデミック面の評価。偏差値に依存しない | 筆記試験、偏差値重視。 |
アメリカの4年制大学では、私立大学(プライベート)と州立大学(パブリック)、リベラルアーツカレッジ(私立文系)、専門・単科、総合大学に分かれ、卒業すると学士号(バチェラー)を取得できます。
アメリカの4年制大学スタイル
筆記試験で合否は決めない
アメリカの大学は、日本の大学のような筆記試験のみで合否を決めることはありません。学校側が時間をかけて高校(中3〜高3)の成績、エッセイ、推薦状、英語力、社会への貢献度、ボランティア活動、スポーツや芸術分野でのタレント性など全ての面を考慮して合否の判断をします。映画制作、音楽、芸術系大学の場合は、ポートフォリオと呼ばれる作品集やYoutubeに作品をアップして提出が求められることもあります。
入学よりも卒業が難しい
アメリカの大学では、日本で履修した単位も移行できるため、意外に簡単に入学できたりもします。ですが留学生はビザの関係上、一定のフルタイム学生として履修しないといけない単位数が決まっており、多くの宿題により毎日が勉強漬けの日々となります。成績も厳しく評価されるため、卒業するまでが大変です。
アメリカの大学の単位制
必要な単位数を満たせば卒業できる
アメリカの大学はすべて単位制です。卒業に必要な単位数を満たせば、年数に関係なく卒業できます。学年の区分も取得単位数で決まります。「早く卒業できる学校を紹介してほしい」というような要望をよく耳にしますが、あくまでも単位数で卒業までの期間が決まるので、短期間で卒業することはすべて自分の語学力と努力次第、ということになります。現実、留学生の場合は、英語にハンデがあるので、4年制大学を3年で卒業することはとても大変なことです。夏休みや冬休み期間をうまく利用して、計画的に卒業するまでのカリキュラムを作っておきましょう。
卒業に必要な単位は120~130単位
一般教養/必須科目 40~60単位 (General /Required Courses)
英語、心理学、歴史、数学、経済、社会、地理、倫理、人類学、地学、環境エコロジー、哲学、外国語、会計、化学、生物、物理、コンピューター、体育、実技などを含む
専攻課程 60単位 (Major)
自分の選んだ専攻の必修科目と選択科目を合わせて単位を履修
選択科目 20~30単位 (Electives)
一般教養と専攻の必修ではなく、その大学で提供されている好きな科目を選択
アメリカ大学留学を具体化しよう
大学の選び方
アメリカの大学は、入学時に専攻学科を決める必要はなく、一般教養課程(2年)の後に決めればよいので、ゆっくりと専攻を選ぶこともできますが、大学を選ぶときは、次のような点で比較するとよいでしょう。これらの数が多ければ多い程、その学部の規模と内容も充実していることがうかがえます。しかし、中には少数精鋭を持ち味とする大学もあり、規模とレベルは必ずしも一致しているわけではありません。
- 教授の数
- 学生総数(フルタイム学生とパートタイム学生の区別がある)
- 学部と科目コースの数
- 教師と学生の比率(クラスの平均サイズ)
- 卒業率
第2専攻(ダブル・メジャー)と副専攻(マイナー)
日本の大学ではまず考えられないことですが、アメリカの大学では「第2専攻(ダブルメジャー)」や、「副専攻(マイナー)」の制度を利用することができます。ダブルメジャーは、主専攻を2つ選び、マイナーは主専攻(メジャー)と副専攻(マイナー)とそれぞれ位置づけ、マイナーはあくまでもサブ的な位置付けとなります。必然的に卒業するまでの必要単位数は増えますが、多くの留学生がこの制度を利用しています。英語のハンデがある留学生にとってはとても大変なことですが、2つのメジャーを同時に取得できれば卒業後の就職、ビザの取得に役立ちます。
将来アメリカで就職したいなら
大学卒業後、OPT制度(有給インターン)を利用して1年間働くことができますが、その後もアメリカで働きたいと望むのであれば、専攻と就職する業種が一致している必要があります。これは就職する時に申請するビザを取得する時の条件だからです。
留学への準備計画
自分の行きたい大学がある程度決まってきたら、いよいよ留学の準備をしていきます。アメリカの大学は、学生を評価する際に、次の6つの入学要項で評価します。
- 高校の成績(中3〜高3の4年間)とGPA(総合学業平均値)
- エッセイ(自己アピールする内容)
- 推薦状(在籍校の教師・コーチの紹介状)
- 課外活動(特技資格ボランティア活動などの実績)
- 各種試験(SAT / ACT / TOEFL)
- 面接(オプション)
GPAのポイント数値が高いことも入学条件の重要な要素ですが、勉強以外での特技や資格など、一つの事に卓越した才能がある学生を、アメリカの大学は高く評価し、歓迎します。
アメリカの4年制大学では、日本の大学と違って入学時期が年に複数回あり、留学の計画を柔軟に立てることができます。大学留学の場合、英語力、入学申請時に必要な書類、事前の英語研修など、様々なことを考慮した上で準備を進めていくことが大切です。準備期間は大体9か月から1年程度設けておきましょう。